2010年12月6日月曜日

にゅうめんとなっとうごはん

これはオリエントで働く料理人の端くれが


「家でいかに手早く納得のゆく昼飯を作るか」に 挑戦した


他人にとってはどうでもいい記録である。


オリエントの労働時間は基本十二時間で、内休憩時間は二時間である。


せめて一時間は本を読むか寝るかしたい。


家までの移動距離は往復十五分。 昼飯にかけられる時間は四十五分。


したがって作る時間はわずかオンリー十五分クッキングタイムである。



             にゅうめんとなっとうごはん

文字にするとまずそうである。
丸文字のオンパレードで
腐った女みたいな感じだ。
しゃきっとしろや!
と、お花ちゃん系の僕でも言いたくなる。
しかもにゅうめんなんか病人の食べ物。
まず自分の食卓にあがることは無い。
だが残念なことにこの日の昼飯となった。
アイデンティティ総崩れである。

悪いのは自分である。
炊飯器に残っているゴハンの残量が
一食分には足りないと知っていつつ
それを忘れ帰って来てしまったのだ。
記憶力が低下するってことは
自分にも災難をまき散らす。

しかしこのままでは悲し過ぎるし
激務に耐えられない。
仕方なく僕はどうにかならないかと考える。
要はボリュームである。

まず昨夜の残りであるなめこと大根のみそ汁に
新たに出汁、油揚げ、卵、もやしを入れてみた。
これではパンチが無いので
かなり前から冷蔵庫にあるヤンニンを投入。
こうなるとちょっとした韓国風チゲの装い。

夏の残骸であるそうめんを別鍋で茹で器に入れ
その韓国風チゲ風汁をかける。
あさつきなんか添えたりしてみて。

さらに少ないごはんに粘りの無くなった
昨夜の納豆の残りをかけた。

思いのほか美味かったのだが
時間が経つにつれ固めに茹でたそうめんが
柔らかくなってくる。
だからにゅうめんは嫌いなのだ。

しかし自分のミスであり
誰に文句を言える訳でもなく
腹を満たす為に
どろどろのにゅうめんをすするしかない。

ふと窓を見上げると
うららかな秋晴れの午後であった。






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