「壁は何故青いのか？」

オリエントの壁は、身体に優しい漆喰が使用されており、全体的にはクリーム色なのですが、一番奥の壁だけは一面真っ青に塗られています。

そして店内には、いくつかの額が飾ってあります。

その額の中の絵や写真をじっくりご覧になったことはありますか？

そのひとつに、中年の男女がまっ青なテーブルクロスをかけたテーブルを挟んで食事をしている風景があります。

フィンランド出身の映画監督、アキ・カウリスマキによる「浮き雲」からの一枚です。

"料理"や"レストラン"といった題材が取り上げられているのですが、苦みばしったなんともクールな映画です。

監督は自分の作品を、「くそみたいだが、悪くない。」と評しています。

台詞が極端に少なく、さもすれば眠くなってしまいそうな映画かもしれませんが、色彩の大胆な配色には圧倒されるものがあります。

興味のある方はぜひご覧になってみて下さい。

そして私達は中野の「ドゥブロヴニク」よろしく、新宿の布屋で同じような質感と色合いの布を探して来ては、（お客様テーブルにはクロスをかけていないので、）メニューやお水、灰皿等を置くサイドテーブルにかけたのです。