2011年7月22日金曜日

牛から近江町市場へ

私用で6月と7月に連チャンで金沢へ行ってきました。金沢と言えば北陸の日本海で穫れた魚が美味い。そこで店に直接鮮魚を送るべく近江町市場へ。


近江町市場は約170店ものお店が軒を連ねた一般人専用の巨大市場。お寿司屋さんや定食屋さんなどの飲食店や、加賀蓮根、丸大根、金時草などの加賀野菜を売っている八百屋さん、加賀・能登のいしる(イカの魚醤)や岩のりなどの海産物や加工品、お酒などを扱うお店、もちろん主力の魚屋さんなんかが所狭しと建ち並んでいます。


鮮魚で言えば蟹、甘エビ、イカ、ブリ、ノドグロなんかが有名ですが、同じ日本海でもあるせいか、毎週オリエントに直送している山陰地方と穫れる魚は結構似ているようでした。

前回はノドグロが奇跡的に安かったのでアクアパッツァ用に10尾購入。小振りではあったのですがさすがノドグロ、上品な中にもある上質なコクが美味かったです。それ以外の朝獲れ鯛と小さいブリのフクラギはカルパッチョに、カレイはムニエルにして空豆レモンバターソースでお出ししました。


今回は鯛、フクラギ、ハタ、バイ貝の四種類を購入。本当は蟹、甘エビ、イカなんかがいいんですがこれらは足が早くて断念(冬に期待して下さい)。蟹は結構いい値段するんですが、甘エビ、イカは山盛りで東京ではありえないお値段です。しかももの凄く美味い。バイ貝は山陰沖からもよく直送されるのですが、一度蒸し上げたバイ貝を、ワタごと取り出しカットしココットに入れ、エスカルゴバターとハーブパン粉をのせてオーブン焼きしてお出ししています。鯛やハタの白身はポワレにして、ソースは最近採れ出したバジルで作ったジェノバソースなどでお出ししました。白ワインのあてに最高です。


さて魚離れが激しいと世間では言われていますが、理由はなんとなくわかります。「肉より高くて手間がかかる」この二点に尽きるのでしょう。レストランのコースメニューを見てもメインディッシュの魚はたいがい「鮮魚のポワレ」でおしまいです。肉料理はいくつもあるのに。それだけロスしやすいし、手間がかかるんですね。

しかしある程度新鮮で下処理の手間をかけた魚は雑魚ですら間違えなく美味しい。安い肉はどうやってもまずい。これは事実です。東京のことしか知らないので東京の魚事情に限定すれば、もう少し魚の値段が下がり、小売りの店では工夫して食べやすく提供出来たらいいのにな、と思います。魚業界全体が変わらないと魚離れはこのまま進んでしまうような気がします。ただ漁業に限らず畜産業や農業などは自然を相手にしているので、ここはやはりダメな日本国にもダメなりにどうにかしてもらわないといけないのでしょう。せっかく海に囲まれ、魚の調理技術が世界一であるのに、敬遠されるのはとても残念です。完全自給自足とまではいかないでしょうが、まずはそこを目指した社会を希望します。まぁ僕が生きているうちは無理だと思いますが、、、。


とりあえず今僕がお店で出来ることは魚の事をもっと勉強して、もっとうまくお客様にお出し出来る様になることのみです。ついでに寿司も握りたい(これは趣味ですが)。そして久しぶりに釣りに行ってこようかとも考えています。さらに調子に乗って、週一休みにしてスタッフと一週間分の魚を釣ってくるなんてっつうのも、結局高く付きそうですが楽しそうではあります。


今年シュノーケリングをしたときは去年と違い泳いでる魚を捌きたくてしょうがなかった。そこに何千円の魚がいると思うと槍で突きたくなり、お魚鑑賞どころじゃありませんでした。

商売に浸るってホント嫌ですね。まぁ常時宇宙のことばかり考えていられれば最高なんですが、生きてゆく為には今のところこれしかないので、やはり槍で突くしかありません。あ、槍は身が痛むし可哀想なんでやはり釣ることにします。釣りキチ三平を読破し多摩川のフナで鍛えた腕がなります。ちなみに料理は庖丁人味平が100%擦込まれているので、そこらへんすいません。したがって魚料理の究極は頭と尾っぽだけ付いた骨だけの鯛を水槽で泳がす事です。成功したらディナーショーをやりますのでぜひいらして下さいね。それではナイス魚ライフを。



近江町市場の駐車場のエレベーター。今日は牛からイン。

上からフクラギ(イナダ)、鯛、ハタ。見えないバイ貝。

0 件のコメント:

コメントを投稿